会長ご挨拶

第37回
日本口腔・咽頭科学会
総会・学術講演会

会長 保富 宗城
(和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座)


【はじめに】
このたび、第37回 日本口腔・咽頭科学会を和歌山県立医科大学 が主催させて頂く運びとなりました。伝統ある本学会を主催させていただきますこと、大変光栄なことと身の引き締まる思いです。岩井大理事長はじめ、本学会の歴代理事長ならびに学会役員、そして会員の皆様に心より感謝申し上げます。また、企業の皆様からのご協賛に深く御礼申し上げます。
 会期は、2024年9月5日(木曜日)〜6日(金曜日)で、和歌山県和歌山市の和歌山城ホールで開催させていただきます。一人でも多くの先生方に現地にお越し頂き、口腔・咽頭科学における最新の知見を共有いただけるよう準備を進めております。

【学会プログラムのご案内】
今回の学会テーマは「内外合一・活物窮理」としました。和歌山は医聖・華岡青洲が1804年に世界に先駆け全身麻酔で乳癌手術を行った地であり、和歌山県立医科大学の建学理念は青洲の精神を受け継いでいます。「内外合一・活物窮理」は、華岡青洲の言葉です。内外合一とは、「外科を行うには、内科、すなわち患者さんの全身状態を詳しく診察して、十分に把握した上で治療すべきである」という意味です。活物窮理とは、「治療の対象は生きた人間であり、それぞれが異なる特質を持っている。そのため、人を治療するのであれば、人体についての基本理論を熟知した上で、深く観察して患者自身やその病の特質を究めなければならない」という教えです。実り多き学会にしたいと存じます。

1.シンポジウム
シンポジウム1:「魅惑の扁桃研究 今何が行われているか?」では、本学会がこれまでリードしてきた扁桃研究について議論したいと思います。扁桃のもつミステリアスな免疫応答に触れればと思います。

シンポジウム2:「パワー・デバイスによる口腔・咽頭手術」では、小児のOSA手術において取り組まれている、安全かつ低侵襲な手術デバイス・手術手技の拡がりをご講演いただきます。

シンポジウム3:「口腔・咽頭癌治療の最前線」では、口腔・咽頭癌について最新の基礎研究をご紹介いただくとともに、現在の治療について議論したいと思います。

シンポジウム4:「多職種で取り組む摂食・嚥下診療」では、摂食・嚥下について在宅診療から手術、さらには嚥下訓練など、多職種での取り組みと議論したいと思います。

2.特別講演
特別講演1:北海道大学遺伝子病制御研究所 大学院医学研究科 分子神経免疫学 教授の村上正晃先生をお迎えし、「遠隔ゲートウエイ反射」についてご講演いただきます。

特別講演2:和歌山県立医科大学 先端医学研究所 分子病態解析研究部 教授の橋本真一喜先生をお迎えし、「単一細胞解析」についてご講演をいただきます。

特別講演3:愛知医科大学薬理学 教授の丸山健太先生をお迎えし、「感覚免疫」についてご講演をいただきます。

3.教育セミナー
口腔・咽頭領域のさまざまなトピックスに注目したテーマを設け、実際の診療にすぐにでも実践できる充実した内容をお話し頂きます。

4.共催セミナー
共催セミナーとしてランチョンセミナー、スイーツセミナー、モーニング・イブニングセミナーのほかハンズオンセミナーを予定しております。また、さまざまな企業展示やカフェもご用意しております。多くの先生方に、口腔・咽頭科学の奥深さを楽しんでいただければと思います。

おわりに
本学会の発展に貢献できるよう、教室員一丸となって鋭意準備を進めております。新秋に、和歌山の地で口腔・咽頭科学の「内外合一・活物窮理」を目指していただきたく、教室員一同、多くの皆様にご参加いただけることを心よりお待ちしております。和歌山でお会いできることを心から楽しみにしております。